広告

19.5倍の売り上げ

ジョン・ケープルズの『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社)によると、ある通販の広告に、同じ製品を宣伝している2種類の広告を掲載したところ、片方の広告が他方の広告の19.5倍の売り上げをもたらしたそうです。
この2種類の広告はどちらも同じサイズで、同じ雑誌に掲載され、両者とも写真を使用し、コピーは細部までよく練られたものでした。
では、何が両者の明暗を分けたのかというと、一方が的を得た訴求をしていたのに対し、他方は的外れの訴求をしていたからです。
両者とも、ほぼ同じ予算で、同じ労力を使って作った広告であったと思いますが、結果においてこれだけの違いを生みます。

この事例から言えることは、同じ予算と労力を使ってする仕事であるならば、1円でも多く売り上げに貢献する広告を作らなければならないということであり、そこには科学的法則が存在します。本書の初版は1932年ですが、多くのクライアントは「広告は科学だ」という認識を持っておらず、逆に言えば科学的法則に基づいた広告を打てれば、競合他社に対していくらでも勝つことが出来る、と主張しています。

90年に渡って読み継がれている本書は、「頭を使った人間が勝つ」という変わらない真理を、私達に教えているのです。