思想

与える者は与えられる

「与える者は与えられる」。この言葉は、成功哲学やスピリチュアルの世界では数限りなく語られてきた言葉であると思いますが、その思想的淵源は、やはりユダヤ人にあるようです。

ユダヤ人は寄付とボランティアを重視し、取り組んでいます。トーラー(聖書)に「自分の収入の一部を、貧しき者に施しなさい」と書いてあるからで、つまりユダヤ教徒にとって寄付やボランティアは義務なのです。

仮に、「自分には人に施すような経済的余裕がありません」という人であっても、ボランティアならば出来るでしょう。お金が無いのならせめて奉仕活動をしなさいということで、他人のためにお金や時間、あるいは労働を提供することを推奨しています。

するとどうなるか。

不思議なことに、その人は豊かになっていくのです。

「与える者は与えられる」という話をするに際して、ユダヤ人はよくガリラヤ海と死海の例え話をするそうです。

ガリラヤ海と死海は、2つともイスラエルの内海です。

ガリラヤ海はイエス・キリストが釣りをしたことで有名ですが、淡水で魚が豊富に取れ、岸辺には多くの樹木が水面に枝をさしのべ、鳥がさえずり、美しい場所だそうです。

一方、死海は塩分が濃く、魚をはじめとして生物が住めず、周りには木もなく、死海の上に漂う空気でさえ重苦しく見えるそうです。

ガリラヤ海はヨルダン川から受け入れた水をまたヨルダン川に流し、死海に注いでいます。反対に、死海は水が流れ出る川をもたず、受け入れたものは全て自分のものにしてしまいます。

これを見てユダヤの賢者達は、ガリラヤ海は受け入れた分だけ、また人に与えるからいつも生き生きとしており、死海はあらゆるものを自分のものにしてしまうから生物が住むこともなく、また寄り付くこともないのだと考えました。

ベン・アンド・ジェリーというアイスクリーム店があるのですが、創業者のベン・コーエンとジェリー・グリーンフィールドは、とてもユニークな商品開発や社会への取り組みを実践してきました。

二人がアイスクリーム店を始めたのは、アイスクリームについて十分な知識があったからではありません。バーモント州のバーリントンは学生の多い街だったのですが、そこにはアイスクリームの専門店が一つも無かったからです。

二人はペンシルバニア州立大学に、アイスクリーム製造の講座があることを発見して、その通信教育の受講生となって学びました。それと並行して、あらゆる手立てを尽くしてアイスクリーム作りの研究に没頭しました。

彼らは利潤の7.5%を必ず地域の福祉のために寄付しました。環境保全、失業者の職業訓練、麻薬中毒に冒された母親の矯正といった事業に向けられました。寄付先は従業員の投票によって決めました。

又、ブラジルの熱帯雨林が乱伐によって危機に晒されており、樹海の奥に住む原住民が生活に困窮していると聞くと、原住民が採取するナッツを買って「ブラジリアン・バウンセス」という新しいフレーバーのアイスクリームを作って売りました。

アメリカの成功した企業では社長と工場労働者の年収に90倍以上の格差があっても珍しくないのですが、二人は全員が一つの家族であると考え、収入の格差を7倍に抑えてきました。

そして社員のパーティーでは、この日のために仮想したベンとジェリーを従業員が大きな水槽の中に突き落として、みんなで大爆笑します。

この他にも、面白いエピソードが沢山あるので、興味のある方はベン・アンド・ジェリーのHPを御覧ください。