人物

「俺についてこい」の元祖

忙しさにかまけてなかなか観られなかったのですが、ようやく『天外者』を観てまいりました。

五代友厚の半生記ですね。

主演の三浦春馬さんの映画は、彼の映画初主演作である『キャッチ・ザ・ウェーブ』を私は観ており、遺作となった当作品も観ました。

長く生きていると、様々なスキャンダルに見舞われる人も少なくない中、ほとんど悪い噂は何も残さず、かの人は逝ってしまいました。

商工会議所での演説のシーンは、本物の大勢の大阪商人を前にして、五代演じる春馬さんは演説します。

予告でそのシーンを見た時に、私は尾崎豊のことを思い出していました。

大阪城ホールでのライヴだったと思うのですが、
「嗤いたい奴は嗤え。信じたい奴はついてこい」
と言ったのです。当時、その姿はアーティストというより宗教家と評され、「若者の教祖」と呼ばれるようになりました。

魂を込めて作品を作る人は早逝するのでしょうか。

いたずらに歳を重ねる身としては、自分なりに精一杯生きるしかないかもしれないけど、花にもいろいろあって、一週間で散る花もあれば百年に一度しか咲かない花もあるけれど、それぞれ懸命に咲いているのだということ。そして花の美しさを愛でる心の余裕を持っていたいと思います。