人物

陰キャこそ活躍せよ

書店のビジネス・コーナーに行くと、リーダーシップに関する本というのが沢山あります。

その中に、「内向型リーダーが成果を出す本」というテーマで書かれている書籍があります。

私は、この着眼点は非常に興味深いと思います。

そう、つまりリーダーの半分くらいの人は内向型なのです。

昔の漫画のような、どのような窮地に追い込まれても、その困難を楽しめて、そしてそれを乗り越えていけるような、開放型の英雄のような人は、勿論現在でもいます。

しかし、意外とそのような人は現在は少ないのではないでしょうか。

現代人は悩める人が多いですし、何らかの形で人間関係で悩んだ、あるいは苦労している人が多いと思います。

しかし、そういう人こそ仕事において結果を出せるのです。

彼らはエリート人生を歩んでいる人が見ていない、気付かないことを見ているし、気付いているから。

中世のカバリストにイブン・ガビロールという人がいます。

彼は中世ヨーロッパの人々にこのブログでも紹介したフィロンという人物とその著作を紹介した人物です。

ガビロールは体が弱く、容貌も優れないので、その文章は憂いを帯びたものだったそうですが、詩才があり、彼が残した文法書は現在でも高く評価されているそうです。

ある時、彼の詩才を妬んだ回教徒によって暗殺され、その遺体を暗殺者は無花果の木の根元に埋めたそうです。

すると翌年、無花果は例年よりも格別に美味な実を大量に成らせました。

人々はその美味を褒めたたえたのですが、どうしてこんなにも美味しいのだろうと訝り、ガビロールの悲劇的な最期について噂が広まりました。

そして、ついに犯人が捕らえられ、処刑された。

そんな逸話が残されています。