人物

マイモニデス

西洋哲学の哲学者については、ソクラテスから近現代の偉人まで、御存じの人は多いと思います。

少し毛色の変わったところでインド哲学の思想家についても、詳しい人はいるかと思います。

しかし、ユダヤ教のラビの聖者列伝となると、ほとんどの日本人には馴染みが無いのではないでしょうか。

私も最近勉強し始めたところで、まだそれほど詳しくはないのですが、学んだ事柄を紹介していこうと思います。

ユダヤ思想について調べていくと、最終的にはフロイトやユングに辿り着くみたいです。

思想界の別の山脈に、心理学という分野があることはおぼろげながら理解していたのですが、どうも明確に見えて来そうな予感がします。

今日はマイモニデスについて書きます。

マイモニデスは中世のスペインのコルドバ出身のラビであり、医者です。

コルドバにもユダヤ人居住区があったのですが、当時の為政者が全ての住民を強制的にイスラム教徒に改宗させることを望んだので、それに反発したマイモニデスの一家は放浪の旅に出ました。

マイモニデスはある時は路上、ある時は船の中、そしてある時は安宿にて勉学に励んだそうです。

経済的に豊かであるほうが勉学は成就しやすいとは思いますが、マイモニデスの生涯を学ぶと、どんな環境でも勉強は出来るし、成功する人は成功するのだということがわかります。

彼の弟が宝石商として成功したので、弟の経済的支援の元、マイモニデスは学問を続けます。

彼が著した律法の注解書は、ユダヤ教徒のみならず、キリスト教徒やイスラム教徒まで宗教の垣根を超えて多くの人々に読まれました。

ある時、弟ダビデが商用で船旅に出ていた時、船外に投げ出され溺死するという悲運に見舞われました。

その際、一家の宝石を始めとする財産のほとんどが失われたそうです。

マイモニデスは嘆き哀しみましたが、心機一転、生活の糧を得るために医学を勉強して医者となります。

医者としても大成功し、アレキサンドリアやカイロの回教徒の王侯貴族のみならず、イギリスのリチャード一世からも宮廷医としての招待状が届きました。

現在、スペインとイスラエルの切手に、マイモニデスの肖像を見ることが出来ます。