仕事

権力と数学

書店に行くと、「数学的思考をビジネスに応用しよう」という趣旨の本が沢山あります。

又、統計学をビジネスに応用するという本も沢山あります。

そのような本が売れているということは、仕事を数学的観点から分析し、構築していくと実際に効果が上がるのであり、そして、そのような思考法をしている人がまだまだ少ないのかもしれません。

高橋洋一という経済評論家がいらっしゃいます。

東大理学部数学科出身の元財務官僚であり、小泉内閣と第一次安倍内閣でブレーンとして数々の提言を立案してきました。

著書も多数あり、読まれた方も多いかもしれません。

「いまだかつて数学者が天下を取ったためしはない」と彼の活躍を批判する人もいますが、読んでいて非常に面白いので、読んで損は無いと思います。

彼の著書から引用しますが、かつてある医大の入試に次のような問題が出されたそうです。

「病気にかかっている人」に検査法Tを適用すると98%の確率で病気であると診断される。「病気にかかっていない人」に検査法Tを適用すると、5%の確率で病気と誤って診断される。病気にかかっている人の割合は3%、かかっていない人の割合は97%である。この時、検査法Tを適用して病気であると判断された場合、本当に病気である確率は何%か?

多くの人は、病気の人が98%の確率で病気であると正しく診断されるのだから、病気であると診断されれば、本当に病気である確率も98%なのではないか、と思われることでしょう。

しかし、高橋氏はそうではない、と主張します。

正解は38%なのだそうです。

そして導き出された答えには、正当な根拠があります。

次回はその理由を解説します。