人物

歴史のIF

司馬遼太郎という作家は面白い人で、異なる立場の人をそれぞれ主人公にして小説を書いています。

代表作『竜馬がゆく』は坂本龍馬が主人公ですが、その龍馬の命を狙ったといわれる新選組についても小説を執筆しており、『燃えよ剣』は副長・土方歳三が主人公です。

局長の近藤勇は戊辰戦争で投降し、斬首となったのですが、土方は奥州を転戦し、最後は函館戦争で敵方に撃たれて死にます。

男の生き様として、武人としては立派だったかもしれないのですが、榎本武明のように、明治政府に仕えるという選択もあったのではないか。

ただ、幕末にあれだけ人を斬っているとなると、やはりそれが業となって、そこから逃れられなくなるのかもしれません。

福沢諭吉は「ヨーロッパでは議会というものがあり、たとえ政治的意見が対立していたとしても、仕事が終わったらそれぞれの代議士が共に酒を飲み交わしておる。しかるに日本では、ささいな違いを取り立てていまだに斬り合いをやっておる。これは日本は相当立ち遅れておるぞよ」
と喝破しました。

徳川慶喜を盟主として各藩主の合議政体を作っていれば、その体制で例えば近藤は立派な政治家、土方は立派な軍人になれたかもしれない。

そうはならなかったところに時の流れの儚さを感じます。

そんな中で旧幕臣ながら渋沢栄一のように大活躍した人もおり、人生というのも様々であると思います。