仕事

変数を探す

あなたがプレゼンの成果をもっと上げるために、今まで1時間かけて作成していたものを、2時間かけてレイアウトやデザインを洗練されたものにして次回に臨んだとします。

しかし、聴衆からの反応が前回とあまり変わらなかったとします。

では、資料作成の時間を3時間、あるいは4時間かければ成果が上がるのでしょうか。

おそらく、結果はあまり変わらないと予測出来ます。

これは資料の見栄えが「変数」ではないためです。

そこで社内の人に依頼し、自分のプレゼンの様子を動画撮影してもらい、自分でチェックした、としましょう。

すると、資料をめくったときにすぐ要点を伝えることをせず、ダラダラと前置きの話をしていることに気付きました。

そこで、「次の資料に移ったら、最初の10秒で結論を述べる」という方法を試してみることにしました。

そうしたら、プレゼンを聞いている人の反応が変わり、プレゼンの成功する回数が以前より増えました。

ここで理解できることは、プレゼンにおける変数とは資料の完成度ではなく、伝え方だったのだという事実です。

安藤広大氏は、世の中には2つの間違いがある、と言います。

一つは、全ては自分の思い通りになる、という思い込み。

もう一つは、自分に変えられることは何もない、という思い込み。

だそうです。

私は「引き寄せの法則」について語る著書を何冊か読んできました。

安藤氏はそのような世界観ではなく、「世の中には変えられるものと変えられないものがある。変えられないものを変えようと注力するのは時間とエネルギーの無駄であり、疲弊してしまうのでやらない。逆に、努力と工夫をすれば変えられるのに、変えようとしない人が多い。仕事における変数とは、そこを変えれば現実が変わっていく事象のことである」と説いています。

かなりリアリスティックな思考ですが、彼の提唱する識学を導入した会社が2700社あり、成果を上げているところを見ると、生きていく上で学ぶべき思考法であると思います。

ある会社で新商品を開発しました。とても良い商品なのでさぞかし売れるであろうと期待していました。

ところがいざ販売してみると、

目立つところに置いても売れない。

値下げしても売れない。

デモンストレーションをしても売れない。

わかりやすく説明したPOPを置いたところ、売上がやや微増しました。

社内でヒアリングすると、

「パッと見でメリットがわからない」

「難しいイメージだ」という反応が返ってきました。

そこで思い切ってネーミングを変えてみました。

結果は、飛ぶように売れました。

ここでの変数は、ネーミングだったのです。