人物

武士の面目

『どうする家康』の徳川家康は弱く、情けなく、優柔不断でカリスマ性のかけらもない人物像からスタートしました。

三方ヶ原の戦いは前半でのハイライトだと思いますが、武田信玄に領地を通過された家康が「これを通過させては武士の面目にかかわる」として信玄に戦いを挑み、ほうほうの体で逃げ帰った苦い経験として伝わっています。

恐怖のあまり、馬上でウ〇コを漏らしたと言われている故事で、逃げ帰った直後の姿を絵師に描かせ、生涯の教訓にしたとも言われています。

誰もが知る江戸幕府の初代征夷大将軍、関ヶ原の戦いは早くてひと月、場合によっては100日かかると黒田官兵衛は予測していましたが、家康は巧みな外交と西軍側の切り崩し工作によって、わずか一日で戦いを終了させています。

松潤さんといえばオラオラ系キャラの代表格みたいな人だと思っていたのですが、ステージの演出にも一家言あり、スタッフへの要求も嵐メンバーの中では最も厳しいイメージがありました。

そんな厳しさもより良いものを創ろうという情熱があったればこそ。

半年後は威風堂々たる武将として、後代の人達に神君の始まりの姿の弱さを伝えようとしても、誰もそんな話を信じないのでしょう。

おのれの弱さを知っている人だからこそ活躍出来た。そんな脚本から学ぶべきことは多いように思います。