人物

ジョージ・ソロス

投資の世界に身を置いたことのある人ならば、ジョージ・ソロスの名は御存じだと思います。

20世紀後半から21世紀初頭にかけて活躍した伝説的トレーダーです。

後半生では慈善事業家として、莫大な財産を寄付し続けました。

彼もまたユダヤ人です。

ソロスの父、テオドロ・シュワルツはハンガリーで弁護士をしていました。1932年にハンガリーで右翼的な政権が誕生すると、ユダヤ人を排斥するがごとき立法が次々と成立しました。

身の危険を察知したテオドロは、典型的なユダヤ人の姓であるシュワルツという家名を変えることを決断、自分達を「ソロス」と名乗ることにしました。

エスペラント運動の信奉者であったテオドロが採用したソロスとは、エスペラント語で「上昇する」という意味のソリの未来形で、「上昇するであろう」もしくは「いつの日にか上昇してみせる」、の意です。

1944年、ジョージ・ソロス13歳の時に、ナチス・ドイツがハンガリーを占領しました。

ソロス一家は父親が偽造した身分証明書を手に入れ、隠れ家を転々としました。
この暮らしは翌年、ソ連がドイツ軍を駆逐してブダペストを占領するまで続きました。
戦争前には85万人住んでいたハンガリー在住のユダヤ人は、25万人にまで減りました。実に3分の2のユダヤ人は命を落としたのです。

ジョージは1947年に、17歳でイギリスに渡りました。赤帽、ウェイター、工員と様々な仕事をしながら学費を稼ぎ、ロンドン大学経済学部を卒業し、ロンドンの投資銀行に就職します。

1956年にアメリカに渡ってウォール街の投資銀行で頭角を現し、1967年に自身の投資ファンドを設立しました。

ソロスが率いるファンドは30年以上に渡って、年率平均31%の配当を行ってきました。2007年発行のマーヴィン・トケイヤー氏の『富と成功の秘訣』によりますと、ソロスの個人資産は85億ドル(1兆200億円)であり、アメリカで27番目の億万長者だそうです。

そしてソロス財団は、全世界50ヵ国において、年間4億ドル(480億円)を費やし、恵まれない人々を援助しています。

反共主義者として知られ、資本主義の権化のような人物が、恵まれない人々を扶助することに最も熱心であるということは、何とも不思議な気がします。