思想

自己実現の方法②目標を紙に書いて、貼る。

ビジネス・コンサルタントの箱田忠昭氏は、人生の30年計画を当時、まだ結婚する前の彼女と一緒に作りました。
千葉県市川市の六畳二間の古い家を借り、冷暖房は無し、目の前の道路は舗装されていなかったので、トラックが通ると砂利がバンバン飛んでくる状況でした。
二人で家の掃除をしてそれが終わると、箱田さんは彼女に「文房具屋さんを探して、模造紙とマーカーを買ってきてくれ」と頼みました。
彼女が模造紙とマーカーを買ってきてくれると、箱田さんは模造紙を一枚あたりトランプのカードくらいの大きさに切って何十枚と作り、そのうち半分を彼女に渡してこう言いました。
「これから僕達の目標を立てよう。君の夢を全部、その紙に一枚ずつ書いてくれ。全部、実現してやるから」

「急に言われても、そんなことわからないわ。」
「じゃあ、もし今、神様が100億円くれるとしたらどうする?」
「そしたら…まず家を買うわ。」
「それから海外旅行に行きたいし、ハンドバッグもダイヤモンドも、みんな買いたい。」
「よし。それを、全部夢が実現すると思って書いてくれ」

「鎌倉で、海の見えるレンガ造りの家に住みたい」
「山中湖に別荘を持ちたい」
「ダイヤモンドの大きな指輪が欲しい」
「ミンクのコートが欲しい」
「海外旅行に毎年連れて行ってもらいたい」
「子供は、医者や弁護士のような専門職にしたい」

箱田さんも次々と書いていきました。
「座禅を始めたい」
「将来、社長になりたい」
「自分の会社を持ちたい」
「親孝行したい」

実現したい内容を書いた何十枚という紙を、人生の六つの分野(仕事、経済、家庭、健康、自己啓発と趣味、その他)ごとに3年後、5年後、10年後、15年後、20年後、25年後、というふうに二人で分類していき、模造紙の上に貼りました。そして、目立つところに貼っておきました。

箱田さんの奥さんは国際線のスチュワーデスでした。給料で言うと、奥さんは箱田さんの3倍近い収入を得ていたのですが、それを捨てて結婚したのです。箱田さんに、他の人とは違う魅力を感じたのでしょう。
新婚当時は、背の高いスチュワーデスの友人達が遊びにきてくれたそうなのですが、みんな人生の30年目標の紙を見て、とても驚き、面白がって帰っていきました。

「あなた、恥ずかしいから、もうはがしましょう」
「何言ってるの。俺はこれを本気で実現するために書いたんだよ」
箱田さんはそう言って、はがさずに貼っておきました。
何十年と経つとボロボロになったので、畳んで押し入れにしまったそうですが、そこに書いたことはほぼ全て実現したそうです。

奥さんのリクエストである「黄色いサンダーバードに乗る」という夢は箱田さんが35歳の時に実現しましたし、36歳で別荘を買い、38歳で社長になり、40歳で独立しました。
子供は長男が医者、次男が大学助教授になったそうです。海外旅行も毎年、行くそうです。