作業

「出来る」と「出来ない」

ビジネスの世界では、日本人の「出来ない」とインド人の「出来る」は信用出来ない。という言葉があるそうです。
日本人の場合、仕事や作業を依頼しても、完璧に仕上げる自信が無かったり、自分の専門分野以外の仕事に関しては、「出来ない」と答えることが多いそうです。請け合ったのはいいが、相手が満足のいく仕上がりに達していなかったら申し訳ないと思ったり、出来るといって出来なかったのは恥ずかしいと思うのが原因のようです。
インド人の場合はどうか。就職の面接などで、「この仕事は出来ますか?」とか「フランス語は話せますか?」という質問に、出来るか出来ないかに関わらず、「はい、出来ます」と答えることが圧倒的に多いそうです。で、いざ雇ってみたら、フランス語はボンジュールぐらいしか知らなかったということは普通にあるそうです。
結局、そう答えないと仕事をもらえない、というのが原因のようです。しかし、インド人の数学的センスは世界的に定評があり、ベンチャーから大手に成長した会社のCEOにインド人やアメリカ人でインド系移民の子孫である人物が就任することは珍しくありません。

ある仕事に要求される能力が10であるとして、日本人は自分の実力を8とか7と表明することがわりとありますが、世界を見渡すと、自分の実力10に対して、「俺は15だ」と触れ込むことはけっこう普通に行われています。ただ、そこで「ああ、やっぱりダメだった」という結果になる場合と、本番までに15の実力を用意してくる人にわかれるのです。
インド人のフランス語に例えるなら、入社まであと2ヶ月の間に、フランス語を完璧とまではいえないまでも、仕事の交渉に使えるくらいまで磨いてくるタイプの人ですね。文法的に間違っていたら使えない、なんて思っていたら、一生母語以外での交渉なんて出来ない。