人物

亜龍

『華僑のボスに叩き込まれた世界最強の稼ぎ方』(大城太著、幻冬舎)は9割以上が著者の実体験に基づくビジネス小説です。

主人公のダイは知人の華僑から「日本で業を営む華僑なら誰もが知っている」ボスと呼ばれる人物のことを教えてもらい、日本人で唯一の弟子にしてもらえました。

ダイは金なし、コネなし、学歴なし、そして当初は人望もありませんでした。弁は立つが上司や後輩との人間関係を構築することが出来ない、ちょっと考え方を変えるだけでこの人大化けするのになあ…という、どこの職場にもいるかもしれないやや残念な若者でした。

そんなダイがボスとの出会いを通して、複数の会社のオーナーとなりました。そして、「亜龍になる」という目標を掲げて現在もビジネスに邁進しています。

亜龍とはアジアのドラゴンという意味です。

中国人は「今いる場所でトップになれ」という教育を受けてくるそうです。よって、仲の良い者同士で会社を立ち上げることは無いそうです。又、日本人が考える和の精神を尊ぶという文化が無いため、例えば本田技研の副社長だった藤沢武夫氏のような、カリスマ創業者を支えるナンバー2みたいな人物が基本的に育たないそうです。

ダイは、ボスから教わった華僑の哲学と、日本人的な和の精神を融合させることを構想しました。

もっとも、マーヴィン・トケイヤー氏によると、ユダヤ人にも和の精神という考え方は当然ながらあるが、日本の和がやや没個性なのに対して、ユダヤ人の場合はお互いの個性を重視するし、尊重する、とのこと。

明治以降に始まった学校教育は、当初は良き兵士を育成するためのものであり、現代では良き従業員となるべく用意されたカリキュラムであると言われています。

そこにはお金に対する教育が無い。お金の貯め方や育て方、経営者のための教育が無いそうです。商学部や経営学科はあるのに、そこで良き経営者となるためのノウハウを伝えきれていないと言われます。

世の中どんどん変わっていきますが、大学のアカデミックな教育よりも、ホリエモンのオンラインサロンのほうが内容が充実しているという説もあり、教育も大胆に変わっていく可能性があります。