思想

トト

トトと言えば偉大なロックバンド、「ToTo」を思い浮かべる人も多いと思いますが、ほぼ確実にエジプトの科学と芸術、そして魔術の神であるトトに由来していると推察します。

エンキの息子、マルドゥクの弟であるトトは、死者を蘇らせる術を持っていたと言われています。

エジプトではミイラ作りが盛んに行われましたが、これは生き返って欲しいほど徳の高い人や身分の高い人に、いつ蘇ってきてもいいように遺体を保存していたのでしょう。

私は死者を蘇らせることは出来ませんし、いまだかつて死者が蘇った場面を見たこともありません。

しかし、エジプト人があれほど熱心にミイラを作り続けたのは死に対する知識が十分無かったからではなく、実際に生き返る人がいたからかもしれないと考えるのは論理の飛躍でしょうか。

イエス・キリストも聖書によれば死者を生き返らせています。それが本当だとすれば、2000年ぐらい前までは、「蘇りの術」は伝わっていたわけです。

興味深いことに、トトの兄であるマルドゥクは、エンキから「蘇りの術」を伝授されませんでした。

これについてマルドゥクはエンキに不満を募らせます。「何故、私には蘇りの術を教えていただけないのです」、と。

エンキは、「そなたに必要なことはすでに全て伝えてある」とのみ答えました。

答えが無いことが答えなのかもしれませんが、私なりに推察してみました。

マルドゥクは戦好きな神様です。何しろ、地球の至る所で核戦争が起きるほどの大戦を厭わなかったのですから。

そのような神様が「蘇りの技術」を手に入れたとすれば、戦で何万人、何十万人と死のうとも、蘇らせればいいのですから、良心の呵責が麻痺してしまうかもしれない。

戦で死んだ人は原則として戻ってくることはない。

それでも戦いを選びますか?ということです。

平和を愛する者に「蘇りの術」が伝えられた、というのは何やら象徴的でもあります。