地理

シナイ半島

大洪水後、一度は減った人類でしたが、その後も順調に増えていきました。

アヌンナキ達はいくつもの都市を作りました。そして、子孫に与える領土を分割することにしました。

第一の地域はメソポタミア。

第二の地域は「峡谷の土地」エジプト。

第三の地域はインド。

第四の地域はシナイ半島で、ここは当初、人類の立ち入り禁止区域でした。「聖域」であり、ここに宇宙空港を作り、ニビルと往来を可能にしました。

アブズで採掘した金は火星の中継ステーションに送られ、そこからニビルへ運搬していたそうですが、ニビルが地球に接近した際、小惑星が火星と月、地球に大量に降り注ぎ、作業に適さなくなったそうです。

そこで、地球からの直行便を打ち上げる場所として、シナイ半島に宇宙空港を建設したわけです。

『エンキ書』の前半の主人公がエンキとするなら、後半の主人公はその長男であるマルドゥクであると思いますが、「地球の神」という称号を与えられながらも、やや不遇であった感じのエンキに比べて、マルドゥクは父から「全てを手に入れるだろう」と予言されました。

しかし、その強引とも言える手法は他のアヌンナキ達の反感を買ってしまい、ついには命を狙われるようになってしまいました。

マルドゥクがその領有権を主張したシナイの宇宙空港を、アヌンナキ連合は木っ端みじんにしてしまおうと計画します。

その際、「恐怖の武器」を使用することにしました。

「恐怖の武器」とは、元々アラルが宇宙船に装備していたものですが、エンキがそれを取り上げ、隠していました。

しかし、エンリルもその場所を、追放されていた時期に知ることになります。

アヌンナキ達は会議を開き、マルドゥクの横暴を阻止するために、「恐怖の武器」を使用すべきかどうかを議論します。

反対したのはエンキのみで、アヌに裁断を仰ぐと、「一度だけ使ってよろしい」とのことでした。

その武器を使用したのはニンウルタとネルガルでした。

ネルガルはマルドゥクとは異母兄弟に当たります。

武器を取りに出かける際、エンキは
「兄弟が兄弟に対して使ってはいけないと、あれほど戒められているのに」と再考を促しましたが、ネルガルは目を合わせませんでした。

その武器は7種類あるのですが、これらを使ったことは、アヌンナキ達にとって大いなる誤算でした。

というのも、彼らの目論見通り、シナイの宇宙空港は跡形も無く破壊されてしまいましたが、その死の灰はアヌンナキ達が自分の住居を捨て、街を捨てて逃げ出すほどのすさまじい破壊力だったからです。

まるで核兵器を使用したかのごとき描写と言われますが、事実、その武器は核兵器だったようです。

アメリカが原爆を開発するに際して、フリーメイソンが後押ししていたという噂もありますが、彼らは『エンキ書』の内容を知っていて、それを現代に再現した、というのが真相なのかもしれません。

その死の灰の被害は、マルドゥクが治めるバビリには及びませんでした。

それをもって、次の時代はマルドゥクが最高権力者となる、という認識が広まりました。

エンリルの「牡牛の時代」から、マルドゥクの「牡羊の時代」に変わろうとしていました。