バベルの塔の真実

『エンキ書』には、『聖書』の内容を彷彿とさせる記述が続々と登場しますが、バベルの塔に相当するエピソードも登場します。

それによると、バベルの塔を建てていたのはマルドゥク、攻撃したのはエンリルです。

元々、エンリルはアヌンナキの労働を肩代わりさせるために地球人類を誕生させるというエンキの構想に批判的でした。

宇宙の創造主の仕事を、我々が担うべきではない、という考えでした。

アヌに呼ばれたアダパをニビルに派遣する際、エンキはアダパに、「ニビルでは、いかなる食べ物も飲み物も口にしてはならない。それは死を意味する」と言いました。

ニビルでの食べ物や飲み物は、アダパをアヌンナキのように長寿にする作用があると思ったのでしょう。

人類がアヌンナキと同等、もしくはそれ以上の力を手に入れることを、彼らは極度に恐れたのです。

バベルの塔の構想が全長5km、あるいは10kmだったのかはわかりませんが、途方もなく高い建物であったのは確かなようです。

それを許してしまうと、人類に不可能は何もなくなってしまう。

エンリルはそう考え、炎と硫黄を雨のように降らせてバベルの塔の計画を阻止したそうです。

そして、人類が一致団結することを困難にするため、彼らの言葉をその土地土地によって違うものとし、一方の言葉を他方の者が理解できないように仕組んだ、とあります。

このようにして、民族と言語は分かれていったそうです。