思想

主の御名をなんと呼ぶか

『カバラ』(箱崎総一著)によりますと、YHWHと綴られるユダヤ教の神の呼び名は、実はヤハウェでもエホバでもなく、その正確な呼び名は人類はほとんど知らない、とのことです。

これは聖書に書かれている、
「あなたがたは、我が名をみだりに呼んではならない。みだりに我が名を呼ぶ者を私は罰せずにはおかないであろう」
という記述に起因するそうです。

箱崎氏によると、ソロモン神殿にて贖罪の日に、ユダヤ教の最高位の神官が、彼以外に誰もいない部屋で、年に一回、主の御名を10回、大声で呼ばわることになっていたそうです。

バビロニアの神学者達の間では10世紀くらいまで、主の御名の正確な発音は伝わっていたらしいのですが、それ以降は人々は忘れてしまった、とのことです。

このエピソードですが逆に言えば、主の御名を正確に唱えることが出来るのであれば、大変な力を発揮するのだろうということを推測出来ます。

ハリー・ポッターにしても『魔法使いサリー』にしても(最近の人は知らないかな…)呪文を唱えるのですが、それほどの力があるということですね。

「主、○○の御名において何々をする、あるいは何々を命じる」
と言うと、それが実現していくという。

とはいえ、主の正確な御名を忘れたとしても、人類の神様への需要は日々増えていったのですね。

祈りを真剣に叶えたい時、結婚する時、悪魔祓いをする時…と、神様に願いを聞き届けて欲しい場面が、人生にはいくつかあろうと思います。

「うーん、そうだね…。例えて言うなら、ヤハウェ、とか。そういうことにしておこうか」

ということで便宜上ヤハウェということになっているらしいです。