思想

独立の気概

歴史のIFについては、これまでも様々な方から様々な意見が出されてきたのですが、今日ご紹介するのは松下幸之助氏が北海道について語った仮説です。

すなわち、「もし北海道が独立国であったなら、経済は今よりも発展していたはずである」、と。

松下氏は世界中を訪れましたが、ヨーロッパでは北海道と同じか、それよりも少ない国土面積、人口で国家として立派に運営している。

翻って北海道の明治以来の運営の仕方はどうであったかというに、中央政府が行政の方針を決め、道民はそれに従ってやってきた。

それはそれで立派であったのだとは思うけれども、例えば戦国時代は各地の群雄が生き残りを賭けて、それこそありとあらゆる試みを行ってきた。

その中では成功する家もあれば滅んでいった家もある。

けれども、それだけの真剣勝負であったからこそ、日本の今日の繁栄があるのである。

つまり、北海道はやりようによっては、今よりも、もっと発展出来ますよ、とおっしゃっています。

松下氏は彼と妻とその弟の三人で松下電器産業を興しました。やがては数万人の人を擁する大企業へと発展していくのですが、彼は自社の社員に、「諸君は社員稼業の社長たれ」と奮起を促しています。

この思想は、いわゆる「サラリーマン根性」といわれる思想からは最もほど遠いと言えるでしょう。

給与をもらえればそれでいいという思想に堕していくことを、松下氏は最も警戒していたのです。