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住友家の興隆

住友グループの家祖である住友政友(1585~1652)は、越前国出身で、柴田勝家の家臣であった住友政行の次男として生まれます。

ロスチャイルド家の家祖に当たるマイヤー・アムシュルト・ロートシルト(1744~1812)が18世紀に活躍した人であることを考えますと、それよりも100年ほど前の時代に活躍した人物です。

つまり、住友家は世界で最も古い財閥の一つである、と言っても過言ではありません。

政友は涅槃宗の僧として「空禅」と名乗り布教をしたのですが、理解者であった天皇の崩御に伴い他宗から「邪教」との誹りを受け、迫害されます。

天海によって調停案が示されるもそれを潔しとせず、京で僧形のままに出版と薬の商いをする「富士屋」を興します。

これが住友財閥の源流です。

政友の姉婿である蘇我理右衛門は、南蛮人より教わった粗銅から銀を分離する精錬技術である「南蛮吹き」を開発しました。

その息子である住友友以(とももち)は大阪に進出し、同業者に「南蛮吹き」の技術を公開しました。

泉屋と名乗りました。

こうして泉屋は多業種に進出し、「大阪に並ぶものなし」と言われるほどの隆盛を極めていきます。

ちなみに住友グループの定例会である「白水会」は、泉の字を上下に分けると「白」と「水」になることに由来する、と言われています。