思想

他者を理解するということ

明日、大腸ポリープを切除するため朝霞市の病院に入院する。

問題なければ翌日には退院出来る。

久しぶりにまとまった時間を得たので読書をしようと思い、ケント・ギルバート氏の『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所)という本を読んだ。

「世界まるごとハウマッチ」に出ていた人でしょう、と言ってわかる人は、今ではそれほどいないのかもしれない。

ギルバート氏は弁護士だが、1971年の大学在学中にモルモン教の宣教師として初来日した。

75年、沖縄海洋博のアメリカパビリオンのガイドとして再来日した。

資格は暫定外交官である。

この暫定外交官として共に来日した友人が、沖縄で山形県出身の女性と恋に落ち、結婚すると父親に手紙を書いたそうだ。

するとこのような返事が来た。

「日本に行くのは勝手だが、よもや日本人と結婚するとは。おまえは人間と結婚する気はないのかね?」

彼はまた手紙を書いた。

「私は家族を捨てるか、愛する女性を捨てるかという選択を迫られています」、と。

すると父から電話がきた。

「それほどの強い決意なのか。では、その女性を我が家に連れて来なさい。気立ての良い女性なら家族として迎える決心がついた。だが息子よ、これだけはわかって欲しい。私はかつて日本人と戦った。その当時は、日本人がとてもおなじ人間であるという感情は持てなかったのだ、ということを」

彼はその女性と結婚し、今ではアメリカで仲良く暮らしている、とのこと。

戦争終結から30年ほど経った頃でも、まだアメリカ人の気持ちにはそのような感情があったのだ、という話。

ギルバート氏はアメリカ人だが、日本を擁護する本を出版して下さっている。

東条英機の知られざる側面を紹介し、「彼を悪人として断じたのは、誰かを悪者にしなければ自分達の行いを到底、正当化することが出来なかったからだ」と明言しておられる。

戦後の日本人はGHQの占領政策に翻弄されたと思うが、新しい時代を迎えるにあたり、人間本来の素晴らしさを開花出来る国、そして時代にしていきたいものだと切に願う。