人物

松重豊さんにまつわる話

松重豊さんは今から43年ほど前、東京の大学に受かったので上京し、下北沢の中華料理店でアルバイトを始めた。

同じ日に入店したクルーに、クロマニヨンズの甲本ヒロシ氏がいる。

二人は夢を語り合い、松重氏は映画を撮りたいこと、甲本氏はバンドをしたいことを語った。

以来、二人の交流は今日まで続いている。

「メシをうまそうに食う姿はちっとも変わっちゃいない」、とのこと。

映画を作るには役者の気持ちがわからないといけないと思い、実際に自分で演技をしてみたのだが、これが思いのほか面白く、今ではこちらが本業となる。

三谷幸喜氏が主宰する東京サンシャインボーイズに在籍したが、「この人について行っても、この先いいことはないだろう」と思い脱退する。

本人いわく、「案外、人を見る目はない。」

以前、住んでいたマンションに、後にサッカー選手となる三苫薫さんの一家が住んでいた。

小学生時代の薫君は親が帰ってくるまで、松重氏の部屋でゲームをして遊んでいたそうだ。

『孤独のグルメ』の話が決まった時は、中年男性がひたすら食事をするだけの、特にストーリーの起伏もない作品なので、「これは自分のキャリアの黒歴史になるかもしれない」と憂い、覚悟もしていたが、予想に反してヒットし、自分の代表作となる。

お酒はかなりいける口なのだが、下戸の役であり、体調管理を踏まえて今ではお酒をほとんど飲まなくなった。

撮影後に家族と来店するとお店に迷惑がかかると思い、家族を連れて行く際は撮影前に訪れる。