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スティーヴンソンの秘密

ロバート・スティーヴンソンはイギリスの小説家である。

彼の名前を知らなくとも、『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』を書いた人だと言えば、わかる人もいるであろう。

そのスティーヴンソンだが、実は非常に面白い告白をしているそうだ。

彼が書いた小説の大半は、ブラウニーと呼ぶ妖精達がスティーヴンソンの夢に現れて語った内容である、と。

この世的には自分の名前を冠して世に発表した作品群ではあるが、自分のアイデアはほぼほぼ無いに等しいです、と。

しかも、ちゃっかり「ブラウニーさん、今夜も大ヒット間違いなしの、面白い話を聴かせて下さい」と、今でいうヒット祈願のような祈りを毎晩していたそうだ。

ブラウニー達は、彼の祈りに忠実に応えた。

どんな話が展開されるのか、スティーヴンソンには全く予想がつかなかったという。

芸術が生まれる瞬間とは、案外そのようなものなのかもしれない。