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軽井沢の石の教会へ行って来ました。

「石の教会」とは、内村鑑三の業績を讃える石で創られた教会です。

内村鑑三は明治から昭和にかけて活躍したクリスチャンの思想家です。

一高の教師をしていたのですが、教育勅語の奉戴式に際し、クリスチャンとしての信念から最敬礼をしなかったことを咎められ、免職されました。

その後は『聖書の研究』という機関紙を発行し、軽井沢でお弟子さんを集めて講義を行った縁で、亡くなった後に彼の業績を顕彰する目的で「石の教会」が建てられたのです。

生前、内村は自らの思想を「無協会主義」と名付けました。

宗教とは本来、一切衆生の救済を目的とするものであると思いますが、何らかの理由で教会に所属出来ないという人も中にはおります。

内村は、そのような人々もキリスト教を学ぶことは出来るし、キリスト者足りうると考えました。

よって、生前の内村は、自らが預る教会というものを持たなかったはずです。しかし、彼の死後に、彼の業績を讃える教会が建立されたというのは何とも不思議です。

折しも昨日は、石の教会で結婚式が行われ、内部の見学は出来ませんでしたが、ハルニレテラスというほど近いレストランやブティックが運営されている所で食事し、帰ろうとして石の教会近くの駐車場まで戻る途中で、橋の上を渡る新郎新婦と介添え人の一行をちょうど見ることが出来ました。

人生の何事かを、この教会から始めるカップルを眺めて、内村氏の苦難に満ちた生涯と、死後もこれほど多くの仕事を成し遂げている事実に鑑み、偉大な人というのは地上を去っても影響力があるものだと感心しました。

そしてハルニレテラスの繁盛ぶりを見て、何故ある店は繁盛し、ある商店街は繁盛し、またある人の人生は隆盛していくのか、ということを考えていました。

一つ発見したのですが、ハルニレテラスには白い傘を逆さまにして花を入れている傘が三つありました。

植え込みではなかったようです。

ということは、雨の日にお客様をもてなす、という意味で花を入れてくれたのでしょうか。

地元では、というか我が人生においてそのような風景は見たことが無かったので非常に感心しました。

帰途の高速道路では、虹に向かって走っていました。

仕事も一段落し、明るい兆しを感じました。