人物

神上がる

漫画家の鳥山明さんが亡くなられた。

世界中で追悼の声が上がっているという。

小学5年生の時に仲の良かった友達が『ドクタースランプ』の熱狂的なファンで、その子の家に行き、『少年ジャンプ』を読ませてもらったものだ。

ドクター・マシリトというキャラクターが出てくる。

鳥山氏の担当編集者らしい。

マシリトと作者のやり取りという場面がたまに出てくる。

これは画期的な発想である。何故なら、当時の他の漫画を見ても、『リングにかけろ』にしても『ドーベルマン刑事』にしても、作者と編集者のやり取りは出てこない。

この後、テレビでタレントがプロデューサーやディレクターといった裏方の人の名前やエピソードを語るという現象が起き、景山民雄氏や高田文夫氏といった放送作家がトーク番組で喋るという事が流行った。

マシリトのモデルとなった鳥嶋和彦氏は、現在漫画を出版している出版社の社長をされているそうで、YouTubeで鳥山明氏の思い出について語っておられる。

鳥山氏の突然の訃報は哀しいことではあるが、哀しいという感情よりは、「素敵な世界を見せてくれてありがとう」という気持ちが強い。

神道で言うところの「神上がった」人なのだろう。